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2014.8.25

木密

140825

第324回集合住宅研究会に伺いました。

けんぽプラザにて。

今回のテーマは

「木造密集市街地の防災の考え方」。

 

木造密集地域=木密地域における

防災対策は、

いつ来てもおかしくないと言われている

首都直下地震の備えとして、

重要な課題の一つです。

 

関根先生からは、

「火災の基礎知識と木造密集市街地における防災」について

お聞きしました。

木造や、RC造での火災実験を映像で見せていただきましたが、

出火してからフラッシュオーバーと言われる状態まで僅か10分足らず。

とても恐ろしい映像でした。

 

初期消火が間に合わなかった際には、

出火元の住宅から逃げること。

 

延焼を防止するには、

出火元に放水するよりも、

風下の隣地建物に放水した方が遥かに有効。

 

開口部の位置が重要。

 

「8分消防」とは。

 

防火水槽が40tであることの意味。

 

火災について、改めて認識させていただきました。

 

続いて、三浦様より

「木密の魅力と木密に住み続ける方策:伝建地区の事例から」

伝建地区(伝統的建造物保存地区)における

木密の魅力と防災対策について、

事例を元にご教示いただきました。

 

リスクを認識し、覚悟を持った上であれば、

住み続けることは可能。

 

木密地域に限らず、

地域で暮らす上での大切なことを

改めて認識させていただきました。

ありがとうございました。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

■第324回集合住宅研究会 MEMO

「木造密集市街地の防災の考え方」

◇木密地域の長所

路地・味わい・界隈性のある空間・人と人とが密接に関わることができる環境・コミュニティ

◇木密地域の課題

居住者の高齢化による建替え意欲の低下・敷地の狭小化による建替の困難さ・複雑な権利関係による合意形成に要する時間

◇木密地域のこれから

住宅、商店そのもののリノベーションではなく、街全体の中で街のあり方や防災システム・コミュニティを検討し、燃え広がりにくい防災性を高めた地域の再生へ。

 

■「火災の基礎知識と木造密集市街地における防災」

~関根 愛氏(東京理科大学教授)~

(1)火災の基礎地域(火災の実験映像等による火災の挙動)

「フラッシュオーバー」と「バックドラフト」の違い

・燃焼→燃焼ガスが上昇→煙層を形成→天井・壁への対遮熱伝達→輻射→可燃物の温度が上昇→可燃物の温度が着火温度に達すると連鎖的に一気に燃焼が拡大

・NISTのナイトクラブ火災の実映像と再現実験映像

 

○「消防力の基準」によって進められた消防署所とポンプ車の配置→平常時大火の終焉

・画期的な「8分消防」の理論(都市大火の防止)

・都市施設配置計画における一種の性能基準

・密集市街地では放水開始を出火から8分以内に始められれば、隣家類焼防止が可能。

・覚知時間、出場準備時間、ホース延長時間などを8分から引いた時間(分)を走行時間とする。

・例えば、4.5分×400m/分=1800m

・市街地では、概ね1kmから1.5km間隔で消防署所配置を行っている

 

○防火水槽の必要最低基準40tの理由

・標準的な木造家屋が全焼する規模の火災に対して、その火災盛期の時間中、隣家への注水活動(延焼防止活動)を継続するのに十分な水利を確保する必要がある

・最低でも、消火活動の筒先口数2つを確保するためには、1口あたり0.5t/分の流量を40分間(木造火災の盛期火災時間を30分として安全をみて40分間)として、2口で40tを必要とする。

 

○今後の大規模地震において忘れてはならないリスクとは

・同時多発火災による市街地火災の発生

・震災時の同時多発火災の問題と自主防災の必要性

・都市災害の被害軽減における消防の役割と限界

 

○これから

・世界の先進国で木密があり、都市大火に頭を抱えているのは日本のみ。

→リスクはあるが、寧ろ、遺産として残しても良いのでは。。。?

 

 

(2)木造密集市街地の火災危険性

 

(3)木造密集市街地における防災の基本的考え方

 

■「木密の魅力と木密に住み続ける方策:伝建地区の事例から」

~三浦 卓也氏(マヌ都市建築研究所 取締役主席研究員)

 

(1)木密の魅力とは

・路地

・ヒューマンスケール

・近所づきあい

・文化

・木造は手を入れやすい

 

(2)木密に住み続ける方策:伝建地区の事例から

・伝建地区→全国に多数。

・地元の方が、住み続けたい意識を持ってリスクを認識した上であれば、維持して良いのでは?

・生命、財産、文化を守る。

・魅力探しから防災へ。ポジティブな思考。

・大火から学び生かす→蔵の街並み

・魅力資源を防災資源へ

・共助、ご近所づきあいの復活

・覚悟

 

■ミニディスカッション

○いかに出火させないか?隣家の類焼を防ぐ開口部に対する手立てはあるか?

→開口部はない方が類焼に有効。開口部を設ける場合には隣家と開口部の位置をずらす。

 

○有効な耐火シミュレーションはあるか?

→準耐火構造と非耐火木造とでは延焼という観点では同じ。現在の法規では「内壁耐火」(中から外へいかないように)の考え方となっているが、「外壁耐火」(隣から類焼しないように)が重要。開口部が重要。

 

○伝建地区では(補助もあり)皆で防ごうとするが、都心の木密ではいかがか。

→地域の意識によっては難しいだろう。谷根千、神楽坂等、地区計画をかけて保存しようという動きもある。

 

○木密を守るために、火災以外に、救援対策などはないか。

→非常時の救援対策については、消防に任せれば平常時は対応可能。例えば救急車が呼ばれる時には、出動練習も兼ねてポンプ車も出動するが、ポンプ車の消防隊員が傾斜地などの救急車が侵入できない場所の患者さんも救出できる。

 

○内装材の不燃化は効果があるのか。

→炎症を遅らせるという意味では効果あり。木造よりRC造の方が効果あり。最も影響があるのは開口部。

 

■参考図書

それでも「木密」に住み続けたい

author:asuka  | コメント(0)

category: blog集合住宅研究会

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