情報と物質とそのあいだ
これがあの見慣れた小石川植物園?
上野恩賜公園。
陽気に誘われ、沢山の人。
昭和59年に解体し、上野公園内に移築再建されたそうです。
立ち寄ってみました。
和風の構え。
ガーデン。
並木に誘われて…
陳列館。
昭和4年(1929)5月に竣工された
岡田 信一郎さん設計の建物です。
「情報と物質とそのあいだ 」
23名の建築家・アーティストによる思索が展示されていました。
中でも、目を惹いたのがこちら。
美濃部幸郎さんによる
「Red Venation Fenceー小石川植物園のフェンス(2011-)」
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小石川植物園(東京都文京区)に新設されるフェンスの計画である。デザイン・コンペティションで最優秀案に選ばれ実施案となった。公園の南西側境界に約800m に渡り設置される。フェンスのパネルは1,150×1,000 ㎜のコールテン鋼製で、歩道から植物園へと湾曲している。表面には4・5・9・11 ㎜角の穴が約5,000 個空けられ、葉脈の模様を描いている。この多数の穴が植物園の内外の空気の流動を促し、視線を透過させ歩道と連続した空間を形成する。葉脈の模様は、自然の葉の成長原理をコンピューターでシミュレーションすることで生み出している。自然の葉脈は、オーキシンという植物ホルモンが信号を発し葉の根元へと流す過程で、そのかたちが生成される。これは概念的には、川や樹木、あるいは生物の血管等に見られる「枝分かれ」するかたちと類似する。自然界の普遍的な摂理を顕すかたちである。
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多数の穴でつくられた葉脈。
前事務所のすぐ裏にあった小石川植物園。
その塀は、万年塀やブロック塀で、通りに対して裏を向けている様相でした。
それを改修すべく、コンペが開催されたそうです。
無数の穴で柔らかくつながる。
周辺道路の整備計画はできているようですが、
こちらの実現はどのようになるのか、楽しみです。
2階の開放的な会場。
情報を含んだ物質、
物質からの情報の展示。
今井紫緒さんによる
「Trepak(くるみ割り人形)/Trepak<The Nutcracker>」
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本作品はリアルタイムな動きをデジタル表現として取り入れ、立体作品として成立させることを目的とした作品である。モーションキャプチャにより楽曲間の指揮者の手の軌跡を計測し、計測数値から3 D データとして形を抽出。また計測数値を置き換えた平面作品も同楽曲を表している。時間や音楽といった目に見えないもの、それらを見えるかたちに置き換えた作品である。3 D 造型機の中でも粉末焼結積層造形システムを活用し造形出力することにより、元来手では造形することが出来なかった内部形状までも表現することが可能となった。
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目に見えないものを再認識させてくれています。
日々の生活の中で、
つい目の前にあるものに気をとられがちですが、
その奥にあるもの、存在するものに目を向けたくなる
探してみたくなる
そんな展示でした。
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