縁日
日本の文化はこんなに面白い☆
橋本夕紀夫さんのお話をお聞きしました。
東京ビッグサイトにて。
家具、衣類、ファブリック、食器等、
インテリアに関する沢山の展示。
バイヤーさんたちで溢れていました。
9つのセミナーも開催されていました。
私がお聞きしたのは、
橋本夕紀夫さんの
「ジャパンデザインは世界にこうアピールする」
中央の円形の展示会場をデザインされた方です。
まずは、自ら手がけられた、
展示会場のデザインコンセプトをお話いただきました。
展示会場は、グリッド型が多くあります。
実際、今回の展示も、この会場以外はグリット型ですが、
そうすると、見そびれる展示も多くあり、
動線が錯綜してしまう。
ぐるっと廻り自然に流れることができるということで、
円形の機能的な形状とされたそうです。
「Super Ennichi」
と題し、
「まつり」や「縁日」をテーマに、
提灯、七夕の短冊、花火、傘、家並みの集合をイメージし、
様々な色のヒモを求心的に配されています。
床のカラフルなパターンと共に、
歩くときの変化を期待されています。
続いて、展示会場に展示されていた、プロダクトデザイン、
ペニンシュラホテルなどの、建築やインテリアデザインのお話をしていただきました。
ドイツで行われる見本市会場を手がけられるそうです。
日本は、「侘び」「寂び」といった静の文化が主と思われていますが、
実は、
「祭り」「縁日」「ハレの場」といった
賑やかなエンターテインメント性も合わせ持っています。
「日本の文化はこんなに楽しく面白い」
ことを世界に伝えたい。
更には、ハードな日本だけはなく、ソフトな日本、
「おもてなし」
も合わせ、
空間の美しさだけではなく、
何かがそこで(偶発的に)(必然的に)起こると良い、と
おっしゃっていました。
「日本」の楽しさを再認識させていただきました。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
講演メモ
1.展示会場について
・「Super Ennichi」
・海外で認識されている日本→侘び、寂び、お寺、禅等→ミニマル・静だが、
縁日、エンターテインメント性も同じように持っている。
・家並みの集合と傘。
・動線としても機能的な円形。
・多色の色を重ねて変化に期待。
2.プロダクトデザインについて
・漆のバスタブ。→造形的な自由度が高い。
・漆の時計。→時間を漆に映す。毎日漆を愛でる仕掛け。日本の工芸は使ってこそ意味がある。
・曲げわっぱのコーヒーカップ→素材を生かした造形。
・女性的な鉄瓶→男性的なごつごつした鉄瓶をアレンジ。継ぎ目は最大のデザイン。
・無垢材の照明→漆塗りもあり。無垢材を削り出し、LED埋め込み。
・踊る鳥獣戯画→スピーカー。人工筋肉でできた鳥獣たちが音に合わせて踊る。
・カバ桜の照明→桜の茶筒を断面で切断し、繋げている。
・曲げわっぱの照明→額縁のように。花入も設置。
・漆の酒器→月が漆に映る。
3.インテリア・建築デザインについて
・ペニンシュラ東京→日本文化とペニンシュラのラググジュアリを融合。ホテルでありながら日本の繊細さを活かす。左官、和紙、等に各界の第一人者が協力。
・Rozilla(ロジラ)→「大人の秘密基地」丘をつくり、洞窟のようなアプローチ。左官職人とのコラボ。床・壁・天井すべてに土。天井トップライトによる自然照明のみ。
・トラジ(丸ビル)→ガラスに浮いたように見える土壁。漆のカウンター。
・名古屋 青柳→左官の外観。
・京橋 トラジ→巨大な茶筅のイメージ。竹工芸を活用。デザイナーは「きっかけを設けるだけ」。
・スカイツリーオブジェ→日本の伝統工芸を再認識。竹・漆・和紙・簾・はさみ焼き・組子・江戸切子・バネ・金箔・組紐等によるスカイツリーの表現。伝統工芸にそろそろ昭和も加えては?と、町工場の「バネ」も加えた。
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