人権
世田谷区 「ユニバーサルデザインフォーラム2013」へ伺いました。
玉川区民会館にて。
世田谷区のユニバーサルデザインに関する2012年度の総まとめの会です。
「UD発見ゲーム」
会場周辺で建物や街中のUDを探しました。
等々力駅方面へ。
歩道としては若干狭いですが、誘導ブロックが敷設されています。
等々力駅の券売機。
手荷物を置く台、画面の高さ、角度、投入口に工夫が見られます。
等々力駅改札。
プラットフォームまで、スロープが併設されており、
スロープ側の改札は幅が広く、車椅子でも利用できるようになっています。
長さを変えることにより、改札をなるべく多くとる工夫がされています。
バス停脇にベンチ。
歩道の切り下げと車止め。
段差の少ない歩道と車道の境界。
敷設された誘導ブロック。
成城石井とケヤキ。
ケヤキ脇に設けられたベンチ。
等々力渓谷入口。
等々力渓谷をユニバーサルデザイン化してほしいという要望があるそうです。
エレベーターをつけるか、アクセスできるところを限定するか。。
どの程度まで対応するかで、方法も変わりそうですが、
是非とも実現してほしいですね。
等々力渓谷入口の向かいにある公園。
こうしたちょっとした場所が嬉しいですね☆
玉川区民会館内にある世田谷区の交付機。
角度、高さ、貨幣の投入口等に工夫が見られます。
最近は、窓口へ行かなくても、このような機械で住民票等が手に入れられるようになり、便利になりましたね。
自動販売機の貨幣投入口。
広くされているので、指先が不自由な時や、急いでいる時などにも便利です。
自動販売機のボタン。
高いボタンが届かなくても大丈夫です。
廊下の2段手摺。端部も処理されています。
ひと周りしたので、会場へ。
これまでの様々な活動が展示されていました。
身の回りのユニバーサルデザイングッズ。
目立たないところにも工夫されているのですね。
車椅子の回転軌跡体験。
この写真の円の内側が、直径1500。
図面に「車椅子回転軌跡」として書き込む数値です。
体験してみましたが、恐る恐る廻ってみてもギリギリでした。
これが、建物内であると、ちょっとした突起もあるので、難しそうです。
設計する際には、定められた数値によるのではなく、
本来の目的を考えて、ゆとりを持たなければなりませんね。
色覚障害の方の見え方。
色覚障害の方は、写真左側の色が、右側の色に見えるそうです。
添えられた眼鏡をかけて、色分けされた様々な文字を見せていただきましたが、
色によっては、まったく見えない文字がありました。
サインの色使いには気をつかわなければなりませんね。
この後、この会場で、フォーラムの開会。
基調講演は、秋山哲男先生(北星学園大学 経済学部客員教授)による
「公共的施設におけるユニバーサルデザイン」。
たくさんの貴重なキーワードをいただきました。
・人権
~ユニバーサルデザインで最も大切なこと。日本では表面的な「デザイン」に収束してしまいがちだが、本来の目的を見失ってはならない。例えば、スロープは目立たない場所に設置するのではなく、利用しやすく分かりやすいところに設置すべき。~
~スウェーデンで浸透したのは、「悲しみを分かち合う」「極端な金持ち、貧乏人を嫌う」という国民性があるから。~
~人間の老化現象、加齢変化を退行のプロセスとしてではなく生涯発達としてとらえ、高齢化を前向きに受け入れることを基本とすること。40歳から老化は始まるが、ユニバーサルデザインが「必要」とされるのは、50歳くらいからでよいのではないか。「ピンピンコロリ」できる生活、社会体系が必要。予防医学として「トレーニングジム」を用意する事例もあるが、それよりは、近所にお散歩に「歩き」「美味しいものを食べて」楽しむことの方が何倍も効力がある。~
~ロコモティブシンドロームとは、運動器官の障害によって日常生活で人や道具の助けが必要な状態、またはその一歩手前の状態。誰もに起きる状態。予防対策も必要。~
・羽田空港や被災地の仮設住宅の事例紹介
~羽田空港でのコンシェルジェの大切さ。遠野市、釜石市の仮設住宅でのコミュニティの工夫。~
・世田谷区に足りないもの。
~色だけでなく、音や光も交えた分かりやすい「サイン計画」。子供や高齢者、孤独の方々、あらゆる人々のための「居場所づくり」。~
今年度の区の取り組みの報告、UDクイズ、講評と続き、終えられました。
今回、御縁があり、昨年9月8日からの4回にわたるワークショップと、
本日のUDフォーラムに参加させていただくことができ、
大変有意義な時を過ごすことができました。
ユニバーサルデザインに対する内容も然ることながら、
同じ目的を持って集まった、様々な年代、職業の方々、コンサル、
そして、区役所の方々にお逢いできた経験が、大きな財産となりました。
今後の生活、お仕事に生かしていけたらと思います。
ありがとうございました。
誘導ブロックの材質にやや問題があるのではないかと、先日気がつきました。雨に濡れると、ゴム底の靴だと滑りやすいようです。特に傾斜面に貼ってあるブロックは要注意。それと、球状のボツボツが表面についたブロックは何かの拍子に転んだ時、球状の頂点に当ると集中荷重が発生して、思わぬ怪我をします。私はこれで不幸にも大腿骨骨折となり、チタン製の人工骨頭をつけることになりました。身障者のための装置で身障者になってしまって、あれが球状である必要があるのか、いささか疑問です。
>白井さん
それは大変でしたね!
傾斜部分に誘導ブロックがあったことが、とても疑問です。
すべての方に危なそうですよね…
おっしゃるように、視覚障がい者のための誘導ブロックが、車椅子やベビーカー、自転車利用者に障がいになってしまう場合もあるようです。白井さんが経験されたように、雨天では滑りやすくなり、まわりの素材との違いが助長してしまいそうです。最近では、すべりにくい素材や、安全性の高いかたち、素材を合わせる鋲式のものなど、考えられているところもあるようですが、まだまだですね。
設計に携わる側としては、設置する場所をよく見て、適切な素材、位置を検討しなければと思います。
今回のワークショップを受け、改めて、何のために、誰のために、といった視点をもちつづけなければ、と思いました。
貴重なご意見、ありがとうございました!
神戸のような坂の多い街では、傾斜地に誘導ブロックを貼らざるを得ない、という事情があって、問題に対応する前にとにかく貼ってしまえ、みたいなところもあったのかなと思います。阪急電車の北側からは、殆ど住宅地ですが坂は急になり、部分的には登るのも一苦労、下るのも要注意、といったところが多数あります。雪でも積もったら陸の孤島になるでしょう。
>白井さん
そうでしたか…状況もわからずに失礼いたしました。
斜面地の住宅地、アクセスは大変そうですが、景観はとても良さそうですよね。ハードでカバーしきれないところは、ソフトでカバーできるといいですね。
雨天時、くれぐれも足元にはお気をつけください!