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2012.9.8

目立たないこと

誰もが過ごしやすい暮らしへ。。。

世田谷区によるユニバーサルデザインのワークショップに参加させていただきました。

初日の今日は、世田谷区役所にて。

 

世田谷区では、毎年、

区の「ユニバーサルデザイン(UD)推進計画」の基本方針Ⅰ(下記)に基づき、

区民参加型ワークショップ(WS)を開いてきたそうです。

 

■UD推進計画の基本方針Ⅰ(みんなで取り組み、進める。)

・すべての人が、できることから取り組む。

・気づきと思いやりの心を育てる環境をつくる。

・計画策定のプロセスを大事にし、区民の声を反映する。

 

 

 

毎年、そのWSの成果物として、このような冊子を制作されています。

H20「ユニバーサルデザインって何だろう?」(UDの考え方、総論)

H21「だれもが楽しめるイベントにしよう!!」(イベント運営におけるUD)

H22「みんなが嬉しくなるお店」(お店での接客事例)

H23「いつまでも快適に暮らせる家づくりのヒント」(家づくりのUDヒント)

 

5回目にあたる今年のテーマは、

「(仮)だれもが暮らしやすい、まちの魅力」(魅力ある公共的施設の整備事例)で、

全4回にわたり開催されます。

 

初日の今日は、残暑厳しい中、区民、世田谷区職員、NPO法人SCOPさん、

合わせて40名程が参加され、4グループに分かれて行われました。

 

WSの目的、経緯、挨拶、参加者の自己紹介の後、

国士舘大学 寺内先生によるミニセミナー

「みんなでつくる、公共的施設のUD」

まずは、UDとは。。。再認識させていただきました。

 

■UDの7原則

1.公平な利用(誰でも例外なく同じように利用できること)

                :デザインの力で差別をなくすこと。

2.利用における柔軟性(利用者が好みや能力で選べる)

                :自主性。ユーザビリティ。

3.単純で直感的な利用(使ったことがなくても利用方法がわかる)

4.認知できる情報(画像、音声、文字など複数の手段で情報を伝える)

                :どこまで、何の情報が必要か。

5.失敗に対する寛大さ(利用者がミスをしても致命的な事態には至らない)

6.少ない身体的な努力(利用者の無理な姿勢や複雑な動作が不要)

7.接近や利用のためのサイズと空間(利用者が不自由なく使える十分な大きさの確保)

                :適度な大きさ。

 

まちづくりの観点から、UD化を実践された事例、

松蔭通り商店街」のご紹介もいただきました。

 

続いて、疑似体験。

高齢者、車椅子利用者、妊婦さんが対象。

私は、高齢者と車椅子利用者の疑似体験をさせていただきました。

どちらも、特別なことではなく、確実に、将来、自分自身が体験することを

少しだけ早く体験させていただくということです。

 

ホームヘルパー研修とはまた違った視点で貴重な体験をさせていただきました。

 

まずは、「高齢者疑似体験」。

白内障を想定した眼鏡、片手の関節、両足、胴体に重りをつけ、

杖をつきながらの歩行です。

目だけは良い(両目の視力1.5!)私は、とにかく視界が狭まること、

識別がしづらくなることが恐怖でした。

関節が思うように動かないので、座ったり立ち上がったりといった行為も、

近くの台につかまりながら、とても時間がかかります。

 

その状態で、階段を降りてみました。

ノンスリップと踏面にはこんなに色の差がついているのに、

疑似体験においては、全くこの段差が見えません。

単なる色の差、ではなく、見えやすい色の差をつけなければならないのですね。

健常の目で考えると、同色の方が意匠性が良い、などと思ってしまいますが、

不特定多数が利用する公共施設において、とても危険なことなのですね。

 

階段の踊り場に、このような突起物。

体が重く 、手摺をつかまりながら手探りで降りる時、確実につまづきます。

手摺の大きさも太すぎて、握ることができません。

 

「車椅子利用疑似体験」では、エレベーターの乗降と、自動販売機までの往来。

このくらいの通路でも通ることはできますが、方向転換に時間を要します。

床のカーペットは、音がしないという面では良いのですが、

車を動かすのに抵抗があり、少し力を要します。

滑りにくく、かつタイヤが動かしやすい素材が良さそうです。

 

こちらの自動販売機では、ボタンを押すことが困難。

ボタンが下部にもついているタイプが良いですね。

上部の電光掲示板の情報は、街中での情報発信になりそうで、

ある意味、UDですね(WS参加者さんの意見です)。

 

 

疑似体験の後、グループごとに、ディスカッション。

2回目以降のフィールドワークに向けて、

「UD事例を見つけるために必要なことは?」

様々な年代、境遇の方々から、たくさんの意見が出ました。

 

中でも興味深かったのが、こちらのストーリー。

①何か良いなあ~、心地よいと思う。

②何か違和感があったら何故?と考える。例えば、車椅子利用者やベビーカーが少なかったらその理由は?と考える。

③違和感が分かるための交流をする。理由が分かる。

④分かったことを、共有、勉強する。

 

UDは、「目立たないこと(→参加者さんからのご意見)」であるべきですが、

目立たないようにすること、自然にするということはとても難しいことですね。

分かっていないとできないことです。

それを認識するのが、今日のようなワークショップになるのですね。

 

更には、こういったワークショップを敢えて開かずとも、

普通に街中で、老若男女が自然に触れ合い、意見を言い合い、

良くしていくことができるといいですね。

(古き良き時代には、あったのでしょうが。。。!)

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

ワークショップの後、辺りを散歩。

建設中の国士舘大学第二体育館の仮囲いに貼られた、

オリンピック代表、権田選手たちの写真を横目に。。。

 

松蔭神社

 

境内にある松下村塾に立ち寄り、

 

 

 

 

ミニセミナーで事例にあげられていた

「松蔭神社通り商店街」へ。

道幅はそれほど広くないのですが、とても開放的な通りになっていました。

 

視覚障害者のための誘導ブロックが、

車椅子利用者や歩行困難者にとっては逆に障害になってしまうことも。

 

それを解消するために考えられたのが、こちら。

細い誘導ブロックです。

 

商店街の入口近くにあった段差の原因、L型側溝をなくすために、

排水は道路中央にされました。

細目のグレーチングになっています。

 

道路両端にあったL型側溝を中央1箇所にするにあたっては、

詰まってしまった場合の対応が厳しいと行政に難色を示されたそうですが、

商店街で定期的な清掃を行うことにより、了承いただいたそうです。

 

フラットな石畳風の舗装が、車椅子利用者に配慮されつつ景観にも配慮されていますね。

 

これらは、ワークショップ等を通して、

モックアップ等で実際に利用される方に体験していただき、実現されたそうです。

 

通りは明るく活性化しており、人々は道路をゆったりと歩かれていました。

 

 

世田谷線「松蔭神社前駅」。

地元民の足ですが、歩道の延長で、ふっとアクセス出来るのがよいですね。

 

秋を感じる心地よい風に、少し喉が渇いたので。。。

 

その脇のカフェ、STUDYさんへ。

 

松蔭神社通り商店街に向けて開放的で明るい店内☆

これも、通りが改善されたからですね。

 

商店街を行き交う人々を眺めながら、甘いもので脳の活性化(?!)。

 

普通に生活できることを改めて幸せに感じる

有意義なひとときでした☆

author:asuka  | コメント(0)

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