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池坊550年祭「特別講座」
「歴史に刻まれて550年」
毎年行われているいけばな池坊の巡回講座。
今年は、550年記念ということで、午前、午後と通しの講習でした。
池坊という華道の歴史を、講義とデモンストレーションで魅せていただきました。
会場は満席。
改めて、華道という文化の深さを感じます。
起源は587年、聖徳太子が六角堂を草創され、小野妹子、親鸞等による、
「花をたてまつる」文化。
上の写真は「三具足の花」。
花を神や仏に「たてまつる」ものとし、
1351年「慕帰絵詩」に盆栽等と描かれていたそうです。
「投げ花」。
きちんとした器がない頃、生活雑器を用いられていたそうです。
1462年、「碧山日録」に池坊専慶の名が登場し、このときから今日まで550年。
永久を求めない、仏教の「無常観」が、日本人に浸透したのか、
今日まで受け継がれてきています。
「立花正風体 」
1629年、二代専好により、立花。
「立花大全」という書物にされることで、習いやすく、学びやすくなったそうです。
「生花正風体」
1673年、専養の頃、庶民の生活が豊かになり、六角堂で花展なども行われ、
庶民にも生けられる生花が流行したそうです。
今日では、床の間がない家でも、机の上にも置けるよう、
小型(写真右)など、工夫されています。
「生花新風体」
現在の家元、専永氏が家元になられた1945年から現在までの 67年間。
世界も日本も、大きく生活や文化が変わりました。
それに合わせて、いけなばも新しい様式がつくられました。
「自由花」
床の間がない家でも、洋式の空間でも、自由に生けられます。
これまでのものが花材の「全体像」を見ていたのに対し、「部分美」が大切になります。
こうして、各時代の生活様式や文化に合わせて、
いけなばも変化しながら発展、継承されてきたのですね。
変わらないのは、自然の中で、植物が一生懸命生きる姿を表現すること。
色、姿、質を見ること。生かすこと。
「カタチ」ではなく、「姿」を受け継ぐこと。
カタチに植物を当てはめるのではない。。。。
様々なモノに通じることですね。
子供たちの自由花を魅せていただいた後、
最後は、音楽に合わせて、会場と一体となったデモンストレーション。
550年という歴史を学びながら、
花と笑顔が溢れる素敵な講義でした。
ありがとうございました☆
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