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2012.7.2

交趾

明治記念館

交趾(コーチ)焼の作家、中村翠嵐(すいらん)先生の講演をお聞きしました。

 

会場には作品も展示されていましたが、

どちらも色鮮やかで、細やかな細工が施されており、

ずっと見ていたくなる見目麗しい作品でした。

 

焼き物の種類は、伊賀焼、有田焼、清水焼、と、地名を表すものが多い中、

「樂」と「交趾焼」については、異なる様相を示しているそうです。

 

もともと「交趾」とは、かつて南蛮貿易の時代における、南ベトナムを指し、

「交趾焼」についても、南ベトナムに由来があるとされていたようです。

近年になり、「寛永通宝」が窯跡から発掘され、

鎖国の時代に、長崎出島を通じ、中国(秦)から直輸入されたことが分かったそうです。

それにより、珍しいものを総称して「交趾もの」と呼ばれるようになったそうです。

 

日本古来の焼き物は、「生活雑器」としての釉薬のないものであったのに対し、

中国では、「青磁」や「白磁」などの釉薬が使われていたのだそうです。

 

鮮やかな色彩は、中国から伝わったのですね。

 

中でも有名な「大亀香合」(藤田美術館収蔵)は、

「型物香合番付表」で東の大関(横綱はないので一等賞!)とされたそうです。

明治41年当時9万円で取引されたそうですが、

これが、現在の価値では何と、30億!

 

どれだけ貴重とされたかが分かります。

 

これらの焼き物は、廃れてしまう時期を経ながら尚、

お茶の世界により発展し、現代へも受付継がれていると言います。

 

翠嵐先生の作品は、永樂保全氏による、

「一陳盛り(いっちんもり)」の技法を交趾に取り入れながら、

泥を重ねて立体感を出し、更に線を重ねて細やかな模様を創り出しています。

また、現代の技術でこそできる技法、

金を施したり、セラミック等の新たな素材との融合もされており、

「伝統的工芸品」から一歩踏み出した作品も製作されているそうです。

 

「口でなく、手で覚えろ」

とお弟子さんたちに日々諭されているという翠嵐先生。

本日講演にあたり、

「このような姿を弟子たちに見られると怒られてしまう」

と冗談まじりにおっしゃっていましたが、

焼き物の発展を通しての日本の歴史と、

それに向き合う真摯な姿を、

ユーモア溢れる語りに表してくださいました。

 

お茶の世界はもちろん、

日本の歴史に想いを廻らす、貴重な講演でした。

 

ありがとうございました☆

 

author:asuka  | コメント(0)

category: blog裏千家

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