2012.6.30
装う
原美術館☆。
杉本博司氏の展覧会が開催されていました。
「ハダカから被服へ」
写真家、杉本氏のフィルターを通して、
人類が被服を装う過程が映されていました。
「洒落本」とされた図録の装丁。
喜多川歌麿氏の「歌まくら」で覆われています。
有名デザイナーたちの作品もたくさん展示されていました。
特に印象的だったのが、こちら。
1940年代に発表されたアリックス・グレの作品。
華麗なる18世紀のロココ全盛の後のフランス革命時代、
ギリシャ、ローマ時代を思わせるハイウエストの新古典主義が流行。
それから一世紀以上も経って、グレはモダニズムの展開の中で、
古代ギリシャの美を再び復活されたといいます。
流行というものは、常に新しさを求めてさまようが、
その種が尽きてしまうと、振り出しに戻る傾向がある。。。
杉本氏により写された被写体は、
美しいドレープを映し出し、
また新たな美を醸し出していました。
何故、私たちは服を着るのだろう。
何故、装うのだろう。
知性を、嗜好を、表情を、仕草を。。。
渡辺仁氏により設計された、かつての邸宅であった、
光あふれる心地よい空間の中で、
杉本氏のフィルターを通して、
自分自身のフィルターを探す時間となりました。
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