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2012.3.16

アノニマス

柳宗理さんの「エッセイ」を久々に開きました。

 

柳宗理さんは、残念ながら昨年12月、

96歳で亡くなられてしまいましたが、

たくさんの素敵な作品を残してくれました。

それらは皆、私たちの周りに、自然に存在しています。

 

この著書の中では、現代社会や人々に向けて、

耳が痛くなるような、厳しいことも述べられていますが、

改めて、モノづくりの原点を考えさせられます。

 

身近にデザインを。。

柳宗理さんデザインのものは、カトラリーやボールなど、

キッチングッズを中心に、我が家にもたくさんあります。

柳宗理さんのデザインだからある、ではなく、

愛着があるカタチと、使いやすさで、手に取ってみたら、

柳宗理さんのものだった。。という感じです。

 

いつもは植木や雑誌が乗っているエレファントスツールですが、

今日は、「エッセイ」の指定席です☆

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

~著書より抜粋~

 

◆デザインとは何か。。「アノニマス・デザイン」について

「アノニマス」とは、「無名」という意味らしいが、

要するにデザイナーがタッチしていないという意味である。

無名と言えばかつての純粋な民藝は無名の作品であった。

その土地土地の人々の用のために造られたものは、

藝術家やデザイナーによる特別のものではなく、

名もなき職人によって造られたものであった。

然もそれは、今日のこれ見よがしのデザインに比して、

その土地土地の生活の用に準じて、忠実に素直に造られているため、

健康で平穏な美しさがあった。

事実そこには人間性のある暖かい本質が備わっていて、

濁って疲れ果てた人々の目を引くのに十分な魅力が潜んでいた。

しかしかつての民藝は手造りを主体としていたため、

機械時代の今日、そのままの状態では我々の生活に供することは

難しくなっていた。

しかし今日の生活用品に機械で造ったもので、

デザイナーのタッチしていないものがあるだろうか?(略)

例えば、ジーパン、野球のボール、ピッケルなどは、

商売のために造られたものとは較ぶべくもない美しい姿をしている。

最近、アノニマス・デザインの商品が並ぶようになり人気を呼んでいるが、

これでもかこれでもかというデザインの氾濫に

いささか食傷している若い人達が、

かえってアノニマス・デザインに心の安らぎを感じて

集まって来るのではなかろうか。

アノニマスは正に濁流渦巻く現代文化への清涼剤と言えるかもしれない。

 

◆「デザインと伝統」

日本人が、日本の土地で、日本の今日の技術と、材料を使って、

日本人の用途のために真摯にものを造れば、

必然的に日本的な形態が出現することになる。

この態度こそ日本の伝統の美を本当に継承することになるだろう。

 

 

 

author:asuka  | コメント(0)

category: blog

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