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2011.12.10

うつること

集合住宅研究会の自主研究会に出席しました。

京都大学大学院工学研究科 博士後期過程、前田昌弘さんより

「津波災害後の居住地移転の「成功」と「失敗」について考える

~スリランカから東日本へ~」

をテーマに、お話をしていただきました。

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2004年12月16日、インドネシア・スマトラ島沖を震源とする地震は大津波を引き起こし、インド洋沿岸諸国に未曾有の被害をもたらしました。

インドの南東に位置する人口約2,200万人の島国スリランカでは沿岸のほぼ全域が被災し、政府統計によると死者・行方不明者40,969人、全半壊住宅78,650戸の甚大な被害が生じました。また、津波によって約83万人もの人々が住まいを失ってしまったそうです。

前田さんが調査されたウェリガマ群ではインド洋津波後の住宅復興において14ヶ所の再定住地が建設され、同郡の住宅数の約12.3%にあたる1147戸もの住宅が供給されました。

2008年12月に全再定住地の居住実態を調査され、居住地移転の「成功例」と「失敗例」についてまとめられました。

■成功条件

(1)「立地」が、生業である漁業が継続できるよう、(徒歩圏内である)海から1.2km以内であること。

(2)漁業以外の仕事や生活も支えること。「地縁・血縁以外の関係」(マイクロクレジットの関係)の維持形成。

(3)住宅敷地内での仕事が可能な「住宅形式」。(オープンスペースを備えた設置型)

(4)居住者が相互の関係を認識しやすい「住宅規模」約50戸

又、前田さんは、東日本大震災後の被災地支援活動(NPO法人アプカス)も積極的に行われており、ご紹介いただきました。

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長い間暮らしていた場所を移ることは、とても勇気がいることです。

それが自分の意志である場合、新たな場所に暮らすことは楽しみでもあるのですが、被災された場合等の外的な要因である場合は、不安で不安で仕方がないことと思います。

その不安を取り除くには、とにかく時間をかけて、住まう人とつくる人が話し合い、各地域に適した場所に、適した規模で、適したものを供給すべきだと、誰もが分かっているのですが、現実は、時間的、法的な制約等によりかなりの困難を要するようです。

平時より常に、非常時の備えをどれだけできるかで、非常時における迅速で的確な対応が左右されそうです。

東日本大震災の復興計画も徐々に動き出しています。復興は急ぐことと思いますが、できる限りの時間をかけて、各々の地域に即した「まち」ができることを切に願います。

※写真は、6月に岩手県を訪れた際に被災地域で見つけたものです。

 

author:asuka  | コメント(0)

category: blog集合住宅研究会

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